『学びは、自己の気づきから』

日本人学校のカリキュラムの中で一番大きな特徴として挙げられるのが、現地理解教育です。その中の一つは、現地の語学を学ぶこと。本校では、ペルシャ語を週1時間学んでいます。現地滞在期間、家庭環境によって子どもたちのペルシャ語理解に違いはありますが、一斉指導という形式をとっているため、その違いにはなかなか対応できません。ですから、理解が進んでいる子には、少し話す、書く時間を増やすなどして、授業内の活動で個に応じるしかありません。

こうした現状は国内の外国語指導でも同じです。家庭環境に差があるケースは少ないにしても、保護者の英語教育熱が高くなるにつれて、英語塾も多くなり、そこで教育を受けたている子とそうでない子との差が生じています。その理解度の差にどう応じていくか。今後国内でも、本校でも改善していかなければならない視点だととらえています。

現地理解教育のもう一つは、総合的な学習の時間や生活科に行う、現地理解学習です。私が25年前に勤めていた韓国ソウル日本人学校でも、この現地理解学習には力を入れていました。総合的な学習の時間の創設は2000年度ですから、それ以前から現地理解学習をしていた世界中の日本人学校が、総合的な学習の時間の先進校というわけです(これ以外にも日本人学校が国内教育をリードしてきたと思える事例が多々あります)。

先日、4年生以上の総合的な学習の時間の授業を覗いてみますと、イラン、テヘランの良いところ見つけをしていました。こうした自己の気づきを出し合う活動は、学習の導入において、非常に大切です。ペルシャ語理解に個人差が生じており、その差に対して学び方をどう変化させていくか苦慮していることを述べましたが、総合的な学習の時間なら比較的個人差には応じられそうです。たとえテーマは同じであっても、個々の理解度によって、ゴールが変化することを良しにできる教科だからです。

今後、出し合った「イラン、テヘランの良いところ」が、それぞれの子の学びとして昇華していき、最終的にまとめられる内容がそれぞれ違っていることを期待しています。自己の気づきが違うわけですから、ゴールも様々であって当然です。

テヘラン日本人学校で学ぶ子どもたちへ

じぶんがかんじたこと、かんがえたことをまずたいせつにしましょう。そこから、もっとしりたいこと、やってみたいことをみつけていきましょう。それが、ほんとうのまなぶということです。

校長室から『学びは、自己の気づきから』

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