『現地学習の必要性と難しさ』

中学技術で、生物育成技術を学習しています。小学校理科で身に付けた知識を生かし、光や温度、水分などの育成環境を調節する技術、定植や誘引などの成長を管理する技術など、進化する農業技術を学ぶ内容です。小学校に比べ中学校では、少しずつリアリティからは遠ざかっている内容になりがちですが、生活に密接している内容だけに、できるだけリアリティのある学習にしていきたいと考えています。そこで、先日、学校近くの種苗店に行き、イチゴの苗を購入するとともに、育成方法、中でも病気害虫に関して教えてもらいました。日本では容易にできる聞き取り学習も、通訳、警備など、現地スタッフに同行してもらわなければなりません。一人の生徒に対して、指導者の私を含む3名の職員が帯同しました。50分間の校外学習でしたが、実際に種苗関係者から話を聴くというリアリティこそが大切なため、有意義な時間だったと思います。

こうした校外学習は、日本人学校の場合、国内以上に配慮することは多く、躊躇しがちです。しかし、この通信の第1号でも書きましたが、グローバル人材の育成には、現地学習、現地の人々との交流は不可欠な要素だと考えています。校舎の一歩外に出れば外国、異文化の真っただ中に行けるという日本人学校のメリットは最大限に生かさなければならないと思っています。そのため、学校の隣にある大学と連携を図り、これまで以上に交流できることはないかと模索しているところです。イスラム文化の国ゆえに、たとえ学習であっても男女が一緒に活動することには困難な部分があります。しかし、その国で過ごす住民として受け入れなくてはなりません。では、どうすれば日本人学校の子ども達が現地の教材に触れ、現地理解を進めることができるのか。これを試行錯誤しながら考えていくのが、派遣教員の醍醐味の一つでしょう。

再来週は、2泊3日の宿泊学習を行います。派遣教員が現地の文化、学習教材としての価値を考慮しながら、試行錯誤した見学、活動メニューになっています。実施にこぎつけるまで相当な時間を要しています。それは、学校として現地学習の必要性を強く感じているからであり、一方でその国ならではの困難なハードルを一つ一つクリアしてきたからです。宿泊学習での様子については、後日、紹介したいと思います。

テヘラン日本人学校で学ぶ子どもたちへ

しゅくはくがくしゅうがちかづいてきました。イランのことをたくさんしることができるよいきかいです。たくさんみて、さわって、やってみて、イランのことをひとにつたえられるようになりましょう。

校長室から『現地学習の必要性と難しさ』

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