『学び方にこだわる~3日間の宿泊学習を振り返って~』
4年生以上の7名が参加する、3日間の宿泊学習が先週、終わりました。小規模校ゆえ、4年生から中学3年生までの異学年集団での宿泊学習は、アットホームな家族旅行的な雰囲気を持ちつつ、あくまでも学習の一環であるという視点を忘れることなく、学びの深い活動になりました。
海外での校外学習のため、安全面は国内の修学旅行以上の配慮が必要ですし、旅行者に手配してもらったパッケージツアーのようなこともできません。現地ガイドも雇いますが、時間管理はお国柄が出て、日本のようにスムーズにいきません。それらも想定の範囲内にして、1時間毎に行程を修正しなければならず、日本の修学旅行のような“大名旅行”とは全く違います。
まず、初日はテヘランからバスに揺られること4時間。渓谷に囲まれアブヤネ村を見学しました。赤土の壁で造られた家々が建ち並び、イランの中でも独自の文化や風情を持つ村です。そこでは、昔から村に住むナジャフィさんが丁寧に説明をしてくださいました。また、バスに同乗されている現地ガイドさんには、英語に浸りきるイマージョン教育の一環としてオールイングリッシュで説明してもらいました。国内の修学旅行でしたら、これで十分でしょう。しかし、本校は子どもたち自身で調べさせる、発見させることを大切にしています。初日の夜の職員反省会で、「説明を聞いてばかりの見学旅行になっている」「見学スタイルの見直しが必要」という意見が出ました。そして、2日目からは現地ガイドに趣旨を伝え、最初のガイドからの説明は1分程度に留めてもらい、子どもたちが自由に見学した後で気づいたことを出し合い、ガイドに質問、説明を加えてもらうスタイルを徹底させました(初日のようなガイドの説明形式になったのはそれを徹底できなかった我々学校側の問題であり、話をしてくださった方々は優しさの一端だと理解しています)。
すると、子どもたちの学び方も変わりました。ただ話を聞くだけではなく、2つのモスクと比較したり、モスクと宮殿との違いを見つけたり。質問する内容も細かい部分にこだわったものも出始めました。こうした校外学習でも、まずは自分たちで考えさせる学び方の重要性を再認識しました。ぜひ国内の学校でも、校外学習に行く場合は、こうしたスタイルを意識してほしいと思います。現地ガイドの方にとっては溜め込んだ情報を出す場は少なくなりますが、たくさんの情報を話してもらったからと言って、それが知識になることは少ないです。むしろ、講義形式は知識理解の妨げになるもあります。
ちなみに、こうしたことは、校外学習だけでなく、授業でも同じことが言えます。今回の校外学習での学びのスタイルが、子どもの興味関心に沿った学び方であり、日頃の授業でも心得ていきたいと思います。
テヘラン日本人学校で学ぶ子どもたちへ
まずは、じぶんでかんがえてみる。じぶんなりのこたえもみつけてみる。そのあと、おとなのいけんもきくようにすると、ちからはこれまでいじょうについていきます。