校長室から『目と耳と体で経験する重要性~3日間の宿泊学習を振り返って~』
今回の宿泊学習は、メニューも豊富でした。モスクや宮殿等の史跡を学ぶ活動、バザールでの買い物やドリームランドでの遊び、そして天文台や地下用水路(カナート)探検などの体験活動がありました。これらは、派遣3年目の先生たちが知恵を出し合い、活動メニューを検討したものです。そのため、下見に2回行くなど、時間もかかって作り上げたものでした。
中でも、体験活動は子どもたちにとって記憶に残るものになったことでしょう。初日の夜は、天文台に行き、三日月や金星を観測しました。クレーターと太陽に影になっている月面を見て、感動していました。また、2日目はペルシャ更紗づくりを行いました。黒と青のインクを型に付け、判子のように生地に色付けしました。どんな模様を使うか、型を組み合わせてどんな柄にしていくかは、子どもたち自身が決めました。世界に一つのオリジナル更紗が完成し、一番のお土産になったのではないでしょうか。そして、3日目は農園に使う水を確保するため、当地の先人が地下に掘った用水路を探検しました。人ひとりしか通れないような狭い用水路。そこを流れる水が膝上まで来ているようなところもあり、スリル満点でした。ライトで照らしながら、「ここから狭くなる」「ここ、深い!」と後ろの人に伝達しながらの前進。子ども7人、引率職員5名といった小規模校の強みを生かした活動メニューでした。おそらく、20人以上のクラスではできないでしょう。
児童期から思春期に入る頃は、感受性も豊かになります。何を見たのか、何を体験したのかが、その子の感性を磨く重要な要素になります。つまり、人格形成にも影響してくる重要な時期に、こうした普段できない体験をすることは重要なことです。しかし、学校という空間では、なかなか実現できません。そのため、こうした校外学習という機会を使っていくことが大切です。
3日間という日数を要しました。バスで4,5時間かけないといけない場所でもありました。しかし、そこに行かないとできない体験、時間をかけないとできない活動がたくさんあり、充実した校外学習になりました。国内の“大名旅行”のような、見学して回る修学旅行、校外学習を見直す必要があるように思います。
テヘラン日本人学校で学ぶ子どもたちへ
カナートをみんなでこえをかけあってあるいたこと、わたしはわすれません。あのようなことができるがっこうは、そうめったにありません。