校長室から『自分の魅力を語る力~グローバル社会に生きる資質~』
先日、全校朝会において、本年度の新規派遣教員の尾花先生が、栃木県の紹介をしました。本校では、新たに派遣された教員が朝会において、自身が
選んだトピックについて話をするのが慣例になっています。お話は、自然豊かな栃木県の魅力が良く伝わるものでした。半数の子ども達が栃木県を訪れた経験がないと言っていましたが、今回のプレゼンで行ってみたいと感じたことでしょう。子どもたちにとって、尾花先生は栃木県の観光大使でした。
そのプレゼンを聴きながら、自らの魅力を語る力はこれからの子どもたちに必要な力であると改めて感じました。25年以上前になりますが、私が韓国のソウル日本人学校に赴任した際、多くの韓国人が自国の自慢話をされるのですが、その後には決まって「日本はどうですか?」と訊かれました。しかし、自国の自慢話をする気恥ずかしさだけでなく、日本の魅力を十分語れるほどの知識がなかったことを反省しました。あの時のシーン(飲み屋でしたが)は、ネガティブな意味で、今でも思い出せるぐらいインパクトがありました。
さて、日本人学校の子ども達は、日本の魅力をどれぐらい語れるでしょうか。日本という大きなくくりでなく、尾花先生のように、自身と関係深いエリアでもいいのですが、自分のこと、自分の身の回りのことを相手にうまく伝える知識と表現力は備わっているでしょうか。『互いの尊重』を重視するあまり、他者理解が自己理解を上回ってしまい、気が付くと自己の良さ、自身のアイデンティティをポジィティブに語れなくなっていないでしょうか。
私自身、自身を卑下することで相手を高めるという姿勢が多かったように思い、反省しています。しかし、社会を生きていく上では、相手の魅力も十分受け入れつつ、自身の魅力もうまく伝える力が必要でしょう。忖度、謙虚。もちろん大切なことですが、自己表現は同時に身につけておくべき力の一つです。先日、『女性の品格』の著者、坂東眞理子先生の講演をここテヘランでお聴きすることができましたが、先生も「謙虚と自己否定とは違う」というお話をされ、相通じる話だと思いました。
本校の総合的な学習の時間『テヘランタイム』では、現地理解とともに、イランの魅力を発信する力も高められたらと思います。
テヘラン日本人学校で学ぶ子どもたちへ
あなたは、じぶんのよさをひとにはなすことはできますか。にほんやすんでいるちいきのよさをしっていますか。テヘランのいいところをしっていますか。