校長室から『ダイバーシティ感覚を磨く~コリアン・スクールとの交流~』
今月11日、テヘラン市内にあるコリアン・スクールの校長先生と英語の先生が、本校を訪問されました。私は、25年前に大韓民国のソウル日本人学校で勤務したこともあり、韓国の方と対面できることを楽しみにしておりました。
11日は、校長室で歓談した後、校内の各教室を回り、授業参観してもらいました。本校の子どもたちが元気に学習する様子を、コリアン・スクールの校長先生は終始笑顔で見ておられました。英語の先生も興味深く授業を見ておられました。おそらく、子どもたちの様子は、どこの国でも共通する部分があるのでしょうが、授業スタイルは少しずつ違っているのではないかと思います。今度は私がコリアン・スクールを訪問して、韓国の子どもたちの学習の様子、そして授業展開を見てみたいと思います。
今回、校長先生来校の目的は、両校の交流会を行うためです。これから日程や内容を両校で協議していき、11月にコリアン・スクールを会場にして、実施することになりました。 “グローバル社会”に生きる資質として、自らの魅力を語れる能力は根っことしてとても重要ですが、その次には、他者を尊重する姿勢が挙げられます。
他者とは、身近な存在でいうとクラスの友だち。そこには、いろいろな生い立ちがあり、家庭環境も違います。それが違ってくると、当然、価値観も違ってきます。学校は、こうした友だちの価値観を知り、受け入れる経験を積む場でもあります。それが、異国に住む日本人学校の子ども達が外国人と交流するとなると、相当の価値観の相違が生まれるでしょう。日本での当たり前が、全く通用しません。ここテヘランで生活している子ども達は、毎日のように、イランの価値観と出会いに悩んでいるかもしれませんが、その価値観との出会いをどうとらえるかはこれからの成長の大きな分岐点となります。自国の文化、風習を是とし、イランの文化、風習を否として見るようになってしまうと、異文化理解は進みません。そのうち、自分たちの価値観に近い国民性だけを受け入れ、排除することになってしまいます。一旦、そのような許容範囲の狭い見方が身についてしまうと、これからの“グローバル社会”を生き抜くことできません。
日本人学校は、こうした価値観の相違を乗り越える学習の機会に恵まれています。コリアン・スクールだけでなく、いろいろな国の子ども達と交流する機会があることが、日本人学校で学ぶ良さの一つであり、学校としてのストロングポイントでもあります。安全に配慮して、積極的に交流学習を推進したいと思います。
テヘラン日本人学校で学ぶ子どもたちへ
かんこくのおともだちと、いっしょにべんきょうするけいかくがたてられています。かんがえかた、だいじにすることのちがいがあって、びっくりすることがあるかもしれません。ぎゃくに、わたしたちのあたりまえに、びっくりされるかもしれません。おもしろそう ですね。