校長室から『豊かなコミュニケーション能力を育てる~コリアンスクールとの交流会~』

15日は、テヘラン市内にあるコリアン・スクールとの交流会を行いました。昨年度は本校に招待しての交流でしたが、今年度はコリアンスクールへ訪問しての交流となりました。本校7名、コリアンスクール3名と、少ない人数での交流会でしたが、人との付き合いは人数に左右されるものではありません。少人数での交流会は、短時間で名前を憶え、それぞれの人柄を把握できるので、より親密な関係がつくりやすいといったメリットがあります。

最初は、韓国の遊び“ユンノリ”をしました。4つの木を投げて出た目によって駒を動かす双六のような韓国伝統の遊びです。2チーム対抗戦になっているため、ハラハラドキドキ、出た目で歓声が起こったり、ため息が漏れたり。単純な遊びですが、白熱したゲームになりました。そうした遊びのおかげで、コリアンスクールの子とハイタッチする場面も見られました。

次に、本校から提案した遊び“ハンカチ落とし”をしました。人数ちょうどの広さの講堂で、車座に座った周りを走り回って楽しみました。単純なルールですので、あっという間に韓国の子ども達もルールを理解していました。これら2つの遊びが終わった後、子ども達は口々に「楽しかった」と話していました。遊び、ゲームは、ルールさえ理解すれば、単純に楽しむことができるので、本当に良い交流会になったと思います。

先週、『中東・南西アジア・アフリカ校長協議会』が開催され、私はオンラインで参加しました。その会議では、在外教育施設の魅力、在り方について話し合う時間もあったのですが、そこで確認し合ったことは、学校から一歩出れば異国であるという立地環境を最大限生かすことです。当然ながら当地の環境・文化・産業を題材とした学習を進めるほか、今回のように他国の子ども達と触れ合うことは、国籍に関係なく人とうまく付き合えるコミュニケーション能力を養うことにつながります。在外教育施設は、教育課程上で可能な限り、こうした機会を作っていく必要があります。市内にはコリアンスクールの他、いろいろな国の学校がありますので、今後もいろいろな国の子ども達と積極的に交流会をしていきたいと思います。

もう一つ在外教育施設で大切なことは、英語活用能力の向上です。今回の交流会でも、挨拶、ゲームの説明だけでなく、子ども達同士の会話は英語を使いました。先生の打ち合わせも英語で行われてきました。このコミュニケーションの大きなツールである英語の会話能力をさらに高めていく必要があります。本校の児童生徒も英語で、とても流暢かつ表情豊かに挨拶をしていました。しかし、まだ書き連ねた紙を頼りに話すことが多かったです。これが、内容がそんなに深くなくても、紙を見ずに、少しアドリブも加えながら話せる域まで高めていければと思います。

イランの学校では、コーランや先人の詩などを徹底的に暗記させるそうです。それを会話の一つの型として身につけ、コーランや詩の言い回しを活用して、会話を楽しむのだそうです。イランには、“暗唱⇒話型の理解⇒話型を活用した会話”といった文化がありますので、紙を見て話をする人は尊敬されないとも言われています。ちなみに、今年度の学習発表会では、紙を見ずにペルシャ語で自身の作った詩を朗読しました。まさに、イランの教育の良さを生かした学習発表でした。

国籍に関係なく、日本人らしい視点で人として付き合える。グローバルな社会に生きる子どもたちに必要な姿勢です。他者を認め合いながら、物怖じせず会話する力、コミュニケーション能力としての英会話力。ともに大切であることを実感した交流会でした。

テヘラン日本人学校で学ぶ子どもたちへ

かんこくのこに、やさしくこえをかけるきみたちをみて、うれしくなりました。こんなひとたちばかりになれば、せかいはへいわになり、よりたのしくせいかつできるようになっていくとおもいます。

校長室から『豊かなコミュニケーション能力を育てる~コリアンスクールとの交流会~』

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です