校長室から『協調性、共感はグローバル人材の大きな要素~他校とのオンライン交流~』

先週は、4年生以上がローマ日本人学校と、1、2年生が栃木県の小学校と、インターネットを繋いで、オンライン交流を行いました。いずれの交流も、本校の子どもたちは、相手校の児童と上手に受け答えをし、交流を楽しんでいました。

本校は小規模校ゆえ、他校の児童生徒との交流の機会は積極的につくっていく必要があります。ただし、他校にないものを求め、補うことに四苦八苦することには、あまり賛成できません。ないものはないのですから、持っている良さを活かすことを基本スタンスにしたいと考えています。しかしながら、一方で、ないものを補う取り組みは必要でしょう。

今回の2つの交流をして強く感じたことは、協調性、共感する力の育成についてでした。ローマ日本人学校からは5年生2名が参加してくれていました。その交流会では、それぞれの国、地域の良さを紹介し合う学習を行ったのですが、本校児童生徒が自然や文化、食生活、学校生活などについて話すたびに、ローマ日本人学校から「おお」「へぇ」と反応が返ってくるのです。そんな反応に、本校の児童生徒はますますテンションを上げ、発表も楽しくしていました。こんなに気持ちよく発表できたのは、ローマ日本人学校の5年生の協調性、共感する力が発揮されていたからです。

普段の授業の中でも、自分の考えをお友達に伝え、共感してもらえると、ますます自信を深めていくことになるでしょう。そして、アイデンティティが高められます。また、気分を害するような批判は例外として、他者の違った考えを聴くことも、自己の価値観は多様化していきます。これは、受け手側の協調性、共感する力に左右されますが、協調性、共感する力をもっていれば、ますます自分自身の能力は高めていくことができるでしょう。学校の存在意義は、そんなところにあります。その意味において、小規模校の少人数授業では、協調性、共感する力を高めることは難しいと言わざるを得ません。この部分は、何とか“時空を超える”情報端末の力を借りて、克服したいと考えています。本校のような小規模校、少人数ならではの課題を抱えている学校があれば、オンラインによって協調性、他者の考えに共感する力を育成する授業を、一緒に創っていきたいと考えています。

ちなみに、私の夢のような話も書かせてください。オンライン授業を発表形式の授業だけではなく、国語や算数などの授業もできればと考えています。どちらかの学校の先生が指導し、他校の児童生徒もそのオンライン授業を受ける。オンライン授業を受けている側は、ネット環境の不具合に対応する職員(先生でなくてもよい)を配置し、様子を見守る。それにより、教員不足は幾分解消し、教員の多忙化の改善も図られます。その見返りに、子ども達と向き合う時間が増えるでしょう。

さらに、このようなオンライン授業が実現できれば、自校以外の先生とのふれあいもできるようになり、子ども達はより多くの先生からいろいろな影響を受けられるようになります。児童生徒にとって、先生のキャラクターで学習意欲は左右されますし、先生と子ども達との相性もあるでしょう。その意味において、多くの先生に出会う方が、子ども達には良いと考えています。こんなオンライン授業が実現できるのは、ずいぶん先になるかもしれませんが、将来、きっとそうした授業はできるようになると考えています。

話は少し変わった方向に行ったかもしれませんが、協調性、共感する力は、国際社会で生きるグローバル人材には、必須です。そして、その力は人と交わることでしか学ぶことはできません。これからも、オンラインでできる授業を模索していきたいと思います。

テヘラン日本人学校で学ぶ子どもたちへ

てれびかめらをつかって、よそのがっこうのおともだちに、じぶんのかんがえをじょうずにつたえられていました。いまは、ねっとをつかえば、いろいろなことができるじだいです。これからも、していきましょう。

校長室から『協調性、共感はグローバル人材の大きな要素~他校とのオンライン交流~』

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