校長室から『子ども達が創る学校を目指して~小規模校の大きなメリットの一つ~』
明日から、冬休みを迎えます。中学部の生徒が、「9月末に〇〇さんが転校していった後、懐かしんでいる間もなく、毎日が過ぎていきました」と話してくれました。私も同様に思います。秋休みの後、後期が始まり、祝日もなく、次々と行事や子ども達による集会が続き、忙しい3カ月間でした。ただ、それら全ての活動で、子ども達が主役になっていたことは間違いありません。それは、小規模校ですから、誰かがリーダーになってくれる状態はなく、常に自分達で動かなければ成り立ちません。ですから、中学部の生徒は、常に主役として動き続けなくてはならないのです。確かに大変ですが、これは小規模校の大きなメリットと考えています。
国内の中学校では、ブラック化した校則を見直し、生徒が校則を作り直す動きが見られます。これは、単に校則が社会の流れと乖離していたことだけでなく、「学校を創るのは誰か」「主役は誰か」の問い直しから生まれた動きであると理解しています。
今週、テヘラン市内でコロナやインフルエンザが流行しているため、マスク着用、昼食は各教室での黙食としました。これまで小学部1年生から中学部2年生が一緒になって楽しく食べていた時間は、静まり返りました。一方、今週末で他校に転校してしまう子が2名いました。すると、生徒会長から「みんなが揃う最後の昼食ぐらいは、講堂で距離をとって食べるようにできないか」という提案がありました。こうした提案は、もっとあっていいと思うほどですし、その話を聴いた時は「この学校の先生なら、その気持ちに応えてくださるので、なんかよい方法が見つかるかもね」と伝えました。夕刻、職員が集まったところでこのことが確認され、実施となりました。こうしたフットワークの軽さも、小規模校職員集団ならではの動きでした。その昼食は、子ども達が距離をとってテーブル、いすを配置しました。黙食ではありましたが、静かな中でも顔を見合わせながらニヤニヤ笑うなど、それなりに楽しい昼食となりました。
また、今週はクリスマス集会、お別れ集会(転校する子の送別会)など、集会続きの週でした。まさにゴールテープを切って走り抜けて、冬休みを迎える感じだったことでしょう。しかし、子どもが主役になる学校は、こうでなくてはいけません。疲れない程度である必要はありますが、常に学校を創る当事者として、子ども自身が考え、行動しなくてはなりません。また、そういう機会をより多く準備し、どんなことがあっても支え続ける職員集団でなくてはなりません。これからも、その視点を忘れない学校経営をしていきたいと思います。
テヘラン日本人学校で学ぶ子どもたちへ
あすから、ふゆやすみ。しばらく、おやすみです。きょうまで、みんな、ほんとうに、いろいろなことにとりくんできたね。どのかつどう、どのじかんもよくかんばりました。しばらくは、ちょっとゆっくりすごして、またらいねん、たのしいがっこうをつくってください。