校長室から『日本の伝統文化を継承する~百人一首大会を開催~』
先週木曜日、本校の伝統である百人一首大会を開催しました。五色に分かれた札のうち、先月、くじによって指定された青札(20枚)と黄札(20枚)、それぞれの部において総当たり戦で競いました。子ども達は、これまでの間、朝の会で練習したり、帰宅途中の車内で暗記を繰り返したりして、当日に臨みました。参加者四人とも在籍学年は違いますが、学年を超えてそれぞれ負けたくないという気持ちで闘志を燃やし、戦っていたように思います。このカルタ取りは、「記憶力」「集中力」「瞬発力」が必要であり、これら三つの力の総合力で勝敗が決まります。対戦を見ていた私も、上の句が読まれると一瞬の静寂があり、すぐさま記憶した札を「ハイ!」と言って取り、その瞬間フーっと息が抜けていきます。そして、また静寂が訪れます。これらの繰り返しですから、子ども達はかなり体力、精神力を使っていたように思います。全く遊び感覚が生まれていませんでした(後半の二人組の団体戦は楽しんでいましたが)。
この百人一首大会は、本校が大切にしている伝統行事です。そもそも百人一首は、飛鳥時代から鎌倉時代の和歌から選りすぐられたものであり、江戸時代に“カルタ”として広まりました。その後、明治時代に競技カルタのルールが作られ、現在に至ります。そのため、百人一首を楽しむことは、まさに日本古来の伝統を感じる機会となっています。特に、外国で生活している子ども達には、日本人であるというアイデンティティを育てる必要があり、こうした伝統文化の継承は大切な本校の教育の柱となっているのです。
緊張感のある対戦の後は、子ども達の労をねぎらうため、ぜんざいが保護者から振舞われました。頑張った子ども達とその健闘を称える保護者の方々、学校職員が車座になってぜんざいを食べる光景は、見ていて微笑ましかったです。国内では、コロナによって、こうした保護者が振舞う飲食が中止となり、その後、復活しないことも多くなっていると思いますが、本校ではそれができていることをうれしく思い、保護者の方々に深く感謝いたします。
子ども達には、講評において、「この大会によって、培った記憶力、集中力、瞬発力をこれからの学校生活で活かしてほしい」と話しました。学校の教育活動は、いずれもゴールを設定しておりますが、次ヘのスタートでもあります。
テヘラン日本人学校で学ぶ子どもたちへ
ひゃくにんいっしゅたいかいがおわりました。どのたいせんも、みごたえがありました。それは、ぜんいんがぜんりょくをつくそうとしたからです。だから、しょうはいはついても、ちからをだすことについては、ぜんいんができていたとおもいます。よくがんばりました。