校長室から『多くの人の支えによって学校が動き始める~38日ぶりに学校再開~』
今週から、本格的な学校再開となりました。4月14日のイランによるイスラエル攻撃をきっかけとして、イラン国内邦人は一時退去を余儀なくされ、子ども達は日本各地の学校に行くことになりました。それから1カ月、派遣教員がイランに戻り、学校再開の見通しが立った ことによって子ども達も少しずつ戻ってきています。まだ、在籍児童生徒7名中3名という状況ですが、来週にはほぼ全員が戻ってくることになっています。学校は、これまでの間、オンラインで放課後補充学習、全校集会など“学びを止めない”取り組みを行ってきました(現在も国内待機児童生徒にはオンラインによる授業を継続中)が、オンラインによる教育活動には限界もあり、再開できてホッとしているところです。派遣教員も、やっと本領が発揮できる環境となり、とても元気に活動しています。
さて、その学校再開ですが、本校職員の力だけでは到底、実現できなかったと思います。まず、保護者、大使館をはじめ、学校運営委員会が、学校の再開を強く願ってくださり、派遣教員の早期のイラン帰国の後押しをしてくださいました。こうした周囲の願いは、学校職員の意識を高める上で重要な要素です。かっこよく言いますと、職員の“使命感”が高まりました。
次に、文部科学省の方々にも、これまでの間、支えていただきました。昨日のオンライン会議でいったん区切りがついたのですが、事案発生当初は毎日、そして日本帰国後は毎週、会議を開いてくださり、不安解消だけでなく、先の見通しも付けてくださいました。中でも、圧巻だったのは、日本への緊急帰国の際の航空券の手配です。そして、イランへの帰国に際しても、我々派遣教員の気持ちを汲んだ対応でした。この支えがなければ、我々は安全かつ迅速に行動できなかったでしょう。本当に感謝の気持ちしか、ありません。素晴らしいサポート体制でした。
そして、最後に語らなければならないのは、本校スタッフです。全派遣教員が、一日も早い学校再開を望み、その思い通りに、早期イラン帰国を果たしました。さらに、我々派遣教員帰国中、学校を維持管理してくれた現地イラン人スタッフも見事でした。1カ月ぶりに学校へ戻ると、玄関先の花壇はきれいに整備され、花が咲き乱れていました。校舎に入ると、階段、床が以前より白く感じられ、清掃が行き届いていることを実感しました。さらに、我々派遣教員の卓上には、「お帰りなさい」というメッセージとともに、ミニチュア植物が置かれていました。ホスピタリティ溢れるイラン人らしく、移動の疲れを吹き飛ばし、学校再開への喜びとやる気を高める環境整備をしてくれていました。本当に心強いサポートでした。
こうした様々な方々のおかげで、学校が再開できました。この1カ月の間、先にあげた方々とは直接出会うことはなかったのですが、むしろ信頼関係、連帯感というものは高まりました。「ピンチはチャンス」という言葉がよく使われますが、まさに今回の臨時休校によって、よりよい学校組織が創れたように思います。
来週は、子ども達のほとんどが戻ってきます。久しぶりに出会い、再会を喜び合う姿が今から想像できます。そして、延期している中学部入学式も行う予定です。集まれる方だけ参加してもらうことになるでしょうが、ひとりの生徒の大切な入学式を盛大に行いたいと思います。
これから、テヘラン日本人学校は、エンジン全開で、夏休みまで走っていきます。
テヘラン日本人学校で学ぶ子ども達へ
いよいよ、がっこうがはじまりました。ひさしぶりにがっこうにきたこ、まだにほんにいるこ、いろいろですが、らいしゅうはぜんいんあつまれるのではないかときたいしています。みんな、まってるよ!