校長室から『イランに学び、イランを語れる人を育てるために~梨本博さんの特別授業を実施~』
今週日曜日、『イランの歴史と文化、観光名所を知ろう!』というタイトルで、イランの文化遺産を子どもたちに教えてくださいました。イランには、日本を超える、26ものユネスコ世界遺産が存在します。その数は中東随一で、紀元前からペルシャ帝国として栄えていた長い歴史がイランにはあるのがその理由です。本校の校歌の歌詞にも「♬古きイランの文明は 史跡のうちに薫り立つ」とあり、ここテヘラン日本人学校で学ぶ子ども達にとっては、イランの文化・文明は大切な教材であると考えています。
梨本さんは、イラン駐在が長い商社マンとしてご活躍されておられますが、テヘラン日本人会で一二を争うイラン通で知られておられます。中でも、イラン各地を旅されて、イラン人ガイドより詳しい知識をお持ちです。昨年、イラン人観光ガイド数名を招かれた夕食会に同席したのですが、ガイドよりも詳しいことを話されるので、驚かれるどころか、嫌がられる域まで達せられていました。
本校児童生徒は、保護者の仕事の関係でイランに来ているわけですが、イランで生活したことを人生の財産としてほしいと常々思っています。そんな思いから、今年度の学校経営方針の一つとして、「イランに学び、イランを語れる児童生徒の育成」としています。中でも、“イランを語れる”というワードを思いついたのは、梨本さんとの出会いからでした。本校では、総合的な学習の時間を『テヘランタイム』と名付けて、テヘランに限らず、イランのことを学ぶ時間がありますが、学ぶだけでなく、梨本さんのように、楽しく、また魅力的に話せるようになってほしいと願っています。
特別授業では、これまでに行かれた世界遺産各地について、イランの歴史順に、そして遺産の価値や由緒、現地でのエピソードを交えながら、お話しいただきました。お話の内容はもちろんですが、子ども達には梨本さんの話しぶりをぜひ見て、感じてほしいと思っていました。そのねらい通り、子ども達には十分伝わったのではないかと思います。そして、「自分も、あのようにしゃべれるようになりたい」と思ってくれたのではないかと思います。
学びにおいては、モデルになる人と出会ったり、話をしたりすることが効果的だと考えています。我々派遣教員では、その役割を果たすことはできません。今回のように、今後も、たくさんのゲストを招き、話を聞いて、感じてもらいたいと思っています。次週は、JICAの田中さんをお招きし、国際協力のお仕事について学ぶ予定です。また、本校は、毎年2泊3日の宿泊学習を実施していますが、今年はペルセポリス、ピンクモスクなどのあるシーラーズに行く予定にしています。そこでは、イランの国家観光ガイド資格を保有されておられる阪野みきさんに案内してもらいます。阪野さんは1996年にイランへ移住し、2008年にシーラーズにある観光ガイド養成専門学校に入学し、その翌年に国家ガイド資格を獲得されました。令和5年度には、在イラン日本国大使館で在外公館長表彰も受けられています。阪野さんとの出会いも、“イランを語れる”児童生徒の育成においては、大きな刺激を受けることでしょう。とても楽しみにしています。
テヘラン日本人学校で学ぶ子ども達へ
“なっしー”こと、なしもとさんのおはなしはいかがでしたか。いらんのあちこちにでかけて、たびをしてみたくなりませんでしたか。ほんものをみたり、さわったり、たいけんしたりすることは、しゃしんをみたり、はなしをきいたりするのとはおおきくちがいます。