校長室から『オンライン授業で9月の学習を開始~危険レベル引き上げによる対応~』

今週日曜日から、9月の学習を開始しました。ただ、特別な事情が発生しました。実は、8月上旬にイランの危険レベルが上がったことにより、派遣教員は全員日本に一時帰国しました。しかし、子ども達は日本に帰国したり、テヘランに残ったりと様々な状態です。そのため、先生達は、日本に帰国して以後、オンライン授業の準備に取り掛かりました。

まずは、オンライン授業できる機器の整備。海外子女教育振興財団様からの補助をいただいて、iPadを全員分購入しました。テヘランにいる子ども達には、学校に保管していたiPadと足らずをイランで購入(経済制裁中ですが、入ってきています)しました。日本にいる子ども達用は国内で購入しました。

次は、iPadに入れるソフトの選定を行いました。昨年度末からオンライン教材の選定をしており、今年度はラインズのe-ライブラリと契約して、使えるようにしました。この1年間、自ら学ぶ、自走できる子どもの育成を目指してきましたので、遅ればせながらやっとスタートラインに立てたような感じです。それ以外にも、NHKforSchoolやスクールTVなど、自学自習に役立ちそうなタブレットアプリを入れていきました。大変だったのは、それぞれにIDとパスワードが必要で、ダウンロードしていかなくてはならないことでした。先生達はオンラインで繋がりながら、ああでもない、こうでもないと言いながら、整備してきました。テヘランにいる子ども達用iPadについては、現地スタッフが行いました。日本各地、そしてイランとオンラインで繋がっていると、こうした作業も便利だなあと感じました。そうして整備したiPadをイラン、日本国内にいる子ども達に手渡しすることができました。

さて、肝心のオンライン授業ですが、日本にいる生徒は11時25分から1校時を開始して18時に6校時終了となりますが、テヘランいる子ども達は、時差の関係で日本時間14時10分から1校時を開始し、20時35分に6校時が終了します。途中、4時間は日本とテヘランの子ども達が同時に授業をしています。

オンライン授業の実際は、どうか。見守り支援いただいた保護者からも「何の問題もなく、一度も出番がないまま下校を迎えました。画面越しであるという以外は対面となんら変わりなく授業を受けているように見受けられました。親として安心した次第です。」という言葉をいただくぐらい、普通に行えています。本校は少人数であるため、どの学年の授業もマンツーマンで指導でき、個別指導できる環境にあるので、対面でも、オンラインでもそんなに変わらないのかもしれません。また、子ども達のオンライン授業への対応力に助けられています。扱いが慣れていなくても、「○○はどうすればいいてすか」と質問し、画面越しに回答すれば、「あっ、分かりました」「できました」と言ってきます。それに、画面越しでも、とにかく明るく、冷静です。今の時代の子ども達だなあと感心します。

大変なのは、先生達。勤務が11時25分に開始して、夜8時35分までです。時間割の編成によって、早出、遅出を作ることで対応しようとしていますが、なかなか時間割もそう単純にはいきません。しばらくは、超過勤務の期間が続きそうです。

こうした状態も、しばらくの間であろうと考え、国際情勢が安定するまで、我慢の日々を続けます。

 

テヘラン日本人学校で学ぶ子ども達へ

どんなじょうきょうでも、じぶんができることをもんくもいわずやる。そのことが、いずれせいかとしてあらわれるでしょう。そのときをきたいして、いまは、がんばりましょう。

校長室から『オンライン授業で9月の学習を開始~危険レベル引き上げによる対応~』

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です