校長室から『どんな状況下でも、人に伝える力を鍛える~発表の機会の創出~』
運動会が中止となり、来月22日に予定していました学習発表会も難しい状況となってきました。また、日々がオンライン授業となっているため、ミニ発表などを週1回の全校学活でしていたことが、できなくなっています。確かに、オンライン授業でも通常の学習内容については履修できていくのですが、先ほど述べた、人前で何かを見てもらう機会は、オンライン授業が続く限り、どんどんと失われています。このことを派遣教員も大変憂慮しており、大きな課題ととらえています。
人前で話すには、①説明の順序を決める構成力、②伝わりやすい話し方、③聞き手が理解できているか観察する力、④アクシデントや聞き手の反応に対する臨機応変な対応力、さらには資料を使うのであれば、⑤わかりやすい資料の作成力が必要です。こうして挙げるだけでも、人前で話すことによって、様々なコミュニケーション能力が求められます。それだけに、人前で話す、発表する機会を創ることは、こうした力の育成につながります。
先日、毎朝行っているオンライン全校学活で、2,3年生による音楽発表がありました。オンラインのため、先生の伴奏を日本から流すと時差のため、うまく歌えません。そのため、最初の音は見守り支援で来てもらっているスタッフにお世話になったのですが、二人はアカペラで歌ってくれました。時折、互いに顔を見合わせながら歌う姿が何とも微笑ましかったです。
また、総合的な学習の時間では、イランの風習、文化、歴史的建造物など、子ども達それぞれが自由にテーマを決め、学習しています。そのミニ発表会もありました。発表内容で工夫していたのは、日本との比較によって、イランの特徴をより際立たせようとしていたところでした。先に挙げた①⑤がとても良かったです。この発表は、今週木曜日に保護者にも見ていただく機会がありますので、楽しみにしていてください。
ただ、子ども達が苦労していることは、オンラインでの発表であることです。画面での発表となると、③の聞き手の反応を観察することが難しくなります。リアルの発表の時でさえ、緊張すると余裕もなくなり、マイペースで進めていってしまいます。さらに、④の聞き手の反応に対して臨機応変に対応するからこそ印象に残る発表となるのですが、それができません。つまり、オンラインでの発表は、リアルでの発表より格段の難しさがあるのです。
本校生徒が、昨年度パナソニック教育財団のプレゼンテーションコンクールに出場したのですが、海外からの出場であったため、オンライン参加でした。そのため、かなりのビハインドがあったと思います。それでも、見事奨励賞をいただいたのは、①話の構成力、②話し方、⑤資料の作成力がよかったのだと思います。そのため、オンラインの発表では、特に①②⑤を鍛える必要があるのでしょう。そして、テヘランに我々が戻り、子ども達が全員揃った時には、大いに③の観察力と④臨機応変な対応力を磨く学習を進めていきたいと思います。
そして、どんな状況であっても学びを止めず、できる方法で、発表の機会を創っていかなければならないと考えています。
まずは、今週末のオンライン発表会、楽しみにしておいてください。
テヘラン日本人学校で学ぶ子ども達へ
あさがっかつでのはっぴょう、そしてテヘランタイムでのはっぴょう、とてもききごたえがありました。こんどのはっぴょうかいもたのしみにしています。