校長室から『信頼され、愛される学校をめざして~学校見学会を実施~』
昨年度の夏季休業終盤、イラン在住で日本国籍を有する就学児童・生徒を対象に、学校見学会を計画しました。しかし、残念ながら来校者がなく、中止となりました。授業料が運営資金の中心となる日本人学校において、在籍数の増減は運営に大きく影響します。本校のような規模の学校では、一人の転入・転出が学校運営に大きな影響を与えるため、できる限り多くの児童・生徒を確保することが重要です。そこで、学校運営委員会の発案により、広く本校の教育活動を知ってもらうことを目的に、この学校見学会が計画されました。
今年度は、教員の一時避難帰国の影響もあり、この時期での開催となりました。有難いことに、新1年生の対象者1名に加え、もう1名の見学者が訪れました。今年度の見学会は課業中に開催し、授業参観だけでなく、在籍児童・生徒との交流活動も実施しました。開会挨拶の後、中休みの時間を活用し、児童生徒会の企画で“じゃんけん列車”をして遊びました。本校では、上は中学部3年生から、下は小学部2年生まで在籍し、家族のような関係の中で学校生活を送っています。そのため、上級生は下級生を弟や妹のように可愛がり、下級生は上級生を兄や姉のように尊敬しています。“じゃんけん列車”を通して、その温かい関係性を感じ取ってもらえたのではないかと思います。
その後、多目的室で数字遊びや習字を体験してもらいました。この時間は、日本人学校での学習を疑似体験してもらうことを目的としています。イランの学校に通っている参加者にとって、日本の学校教育を知る貴重な機会となりました。その間、保護者の方には私から、本校の教育方針や教育活動、入学の諸条件について説明し、ご質問にもお答えしました。私は、本校が広く日本人に信頼され、愛される存在でありたいと願っています。そのためには、本校の目指す方向性や実態を知ってもらうことが重要です。約30分間の説明は、大切なPRの時間となりました。
最後に授業参観を実施し、すべての学年の授業を見学していただきました。授業を通じて、本校の特徴である児童・生徒と先生との近しい関係性や、個々に応じた指導の様子を感じ取ってもらえたのではないかと思います。2・3年生は、間近に迫ったスポーツフェスティバルに向けて練習しているダンスを披露したり、手作りプレゼントを渡したりしました。これらは、3人の児童が自主的に考えたもので、在校生自ら入学希望者を歓迎する姿勢を示してくれたことを嬉しく思いました。
今回の見学会では、本校の良さを十分に発揮できたと感じています。結果として入学には至らなかったとしても、こうした取り組みが少しずつ口コミで広がり、一人、また一人と児童・生徒が増えていくことを期待しています。多くの人に信頼され、愛される学校でなければ、「入学したい」「通わせたい」とは思ってもらえません。今後も、「本校に入学すれば、きっと満足してもらえる」と胸を張って言える学校となるよう、尽力していきたいと思います。
テヘラン日本人学校で学ぶ子ども達へ
ふたりのこどもたちが、てへらんにほんじんがっこうにきょうみをもって、きてくれました。2じかんでしたが、みんなの「にほんじんがっこうにきてね」というきもちがつたわったとおもいます。ありがとう。