校長室から『思い出は空から降ってくるものではなく、創るもの~冬の遠足を実施~』
今週日曜日、ダー・アバド博物館、ヒューマンパーク、ローヤパークへの遠足を実施しました。“(一時避難帰国で)失われた教育活動を取り戻す!キャンペーン”の一環です。
一時帰国中に開催したオンライン保護者茶話会では、「宿泊学習を実施してほしい」「運動会を開催してほしかった」などのご意見をいただきました。これらの意見には、単に行事を行うだけでなく、子どもたちの心身の成長を願う気持ちや、テヘランでの学校生活を思い出として残し、大切な経験にしてほしいという思いが込められていました。そのため、可能な限りの活動を実施していくことを決めました。
冬は校外活動に適した季節ではありませんが、あえて実施しました。案の定、前日から雪が降り始め、とても寒い日となりました。駐車場から見学場所の博物館までは、滑らないように慎重に雪道を踏みしめながら歩く必要がありました。しかし、そのおかげで、3つの施設とも、ほぼ貸し切り状態で見学できました。
昼食は公園内のカフェを利用しました。注文なしで利用するには一人170万リアルが必要でしたが、冬の屋外での昼食は困難なため、事前に予約しました。もし別の季節であれば、公園のベンチで食べることもできたでしょうが、今回は屋内の昼食場所が必須でした。結果として、温かい場所で楽しく食事をすることができました。
今回の遠足の出発前に、私は子どもたちに「思い出は空から降ってくるものではありません。楽しい思い出は、自分たちで創るものです。そのために、どうすればよいのかを考えましょう」と話しました。帰校後、先生が「楽しかったですか?」と尋ねると、ほとんどの子が手を挙げました。一日の遠足を振り返ってみても、子どもたちはよく協力していました。特に、上級生が下級生に積極的に声をかけ、博物館では小さい子を前に行かせて見やすくする配慮をしたり、食事やトイレのタイミングでは場所を案内してあげたりする姿が見られました。その様子は微笑ましく、頼もしく感じられました。人数が少なく、家族的な関係性のため慣れ合いになりがちですが、こうした学校行事を通じて、確実に成長していることを実感しました。
さて、次はスポーツフェスティバルです。“失われた教育活動を取り戻す!キャンペーン”の中でも最大の学校行事です。この取り組みを通じて、子どもたちがさらにもう一段階成長してくれることを期待しています。
今回の遠足を通じて改めて感じたことは、楽しい思い出は一人で作るものではなく、周りと協力し合うことで生まれるということです。上級生が下級生に優しく声をかけたり、互いに助け合ったりすることで、より温かく充実した時間を過ごすことができました。何か特別なことをしなくても、仲間と関わり、思いやることで、遠足の一日がかけがえのない思い出になりました。こうした経験を積み重ねることで、子どもたちは人と協力することの大切さを学び、自ら思い出を創り出す力を育んでいくのだと改めて感じました。これからも、仲間とともに過ごす時間の尊さを伝えていきたいと考えています。
テヘラン日本人学校で学ぶ子ども達へ
たのしいえんそくをつくることができましたね。さすが“てへらんっこ”とおもえるばめんをたくさんみることができ、うれしかったです。