校長室から『フルート演奏と歌声に癒されて~マドレセサロンを実施~』

PTA行事であるマドレセサロンを実施しました。この会は、保護者と先生がともに学び合う場として位置づけられています。しかし、近年は「せっかく良いお話を聴くのであれば、子ども達も一緒に」と、子ども達も参加する機会となっています。以前は、日本人会の方々も参加されていたそうで、今後はさらに多くの方にご参加いただけるような形にしていきたいと考えています。子どもから大人まで幅広い世代が学び、交流できる機会を設けることで、学校と地域のつながりをより強くしていきたいと思います。

 今回は、テヘラン在住歴の長い鈴木理恵さんをお迎えし、フルート演奏を披露していただきました。透き通るような音色が響き渡ると、会場全体が穏やかな雰囲気に包まれました。私は目を閉じてじっくりと耳を傾け、しばしの癒しの時間を過ごしました。子ども達も、普段なかなか触れることのない生演奏に聞き入っていました。演奏後には、フルートの構造や音の出し方、さらには鈴木さんがフルートと出会ったきっかけについてもお話を伺いました。楽器の仕組みを知ることで、ただ音楽を聴くだけでなく、その奥深さにも触れることができました。

さらに、東日本大震災の津波被害でお子さんを亡くされた保護者との交流をきっかけに作詞・作曲された『愛しい人へ』を、子ども達と一緒に歌いました。この日のために、子ども達は音楽の授業や朝の時間を使って練習を重ね、本番を迎えました。とても美しい曲で、優しさがあふれる歌詞が印象的でした。子ども達もその雰囲気をしっかりと捉え、気持ちを込めて歌っていました。歌詞に込められた想いを知ったことで、より一層、心を込めて歌うことができたのではないかと思います。曲の誕生秘話を聞いた後に歌唱指導も行われ、最後の合唱では、より素晴らしい仕上がりとなりました。

 最後に、参加者全員で『Believe』を歌いました。この曲は、未来への希望や支え合う大切さを歌ったもので、歌詞を改めてじっくりと噛みしめると、心に深く響くものがありました。「世界中の希望をのせて、この地球は回っている」「世界中の優しさで、この地球を包みたい」。まさに、今の世界情勢を思うと、とても考えさせられる言葉です。自然災害のように避けがたいものもありますが、今起こっている国際問題は、人の手で解決できるものも多いはずです。一方的な主張を押し付け合うのではなく、互いの国が尊重し合い、よりよい関係を築いていけることを願っています。イランの人々はとても優しい国民性を持っているので、きっとそんな未来を期待できるのではないでしょうか。

今回のマドレセサロンは、音楽を通じて心を通わせる素晴らしい時間となりました。子ども達だけでなく、保護者や先生方にとっても、心を落ち着かせ、改めて大切なことを考える機会になったのではないかと思います。今後も、このような学びや交流の場を継続し、学校が地域とともに成長できるような環境を整えていきたいと考えています。

 

テヘラン日本人学校で学ぶ子ども達へ

フルートのうつくしいねいろをきいてうっとりしましたね。みんなのうたごえをきいていても、おなじようにおもいました。

校長室から『フルート演奏と歌声に癒されて~マドレセサロンを実施~』

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