校長室から『次代を生きる子ども達への教育を考える機会~夏季職員研修を実施~』

 先週金曜日、職員研修を行いました。今月初めに続き、夏季休業期間では2回目になります。今回の一時避難帰国により、派遣教員は自宅で業務をしていまずが、授業のない夏季休業期間は9月以降の授業準備に加えて、クラウドファンディングで得た資金を活用した教材・教具の整備、自己研鑽が中心となっています。加えて、文部科学省からは、補習授業校の職員を対象にした授業のノウハウを伝えるビデオ作成も仰せつかっていますので、それなりに業務があります。

中でも、学校経営者である私は、自己研鑽、つまり自らの力量を磨く研修を最も大切にしています。授業が中心となる課業中、なかなか研修する時間がありません。日進月歩で進んでいく現在、学校現場も同様で、情報のアップデートが繰り返され、過去の経験、常識だけでは対応できなくなってきています。そのため、書物による研修、オンライン研修、オンデマンド研修を先生達に奨励しています。

先週の校内研修は、STEAM教育と生成AIの活用の2本柱でした。本校派遣教員が講師となることで、講師の先生は前任校での経験、考えをまとめる良い機会になったでしょうし、学ばせていただいた我々は身近な先生だからこそ率直な質問や意見交流がしやすく、肩ひじを張らずに学習できました。非常に有益な時間でした。

今回の研修の内容であったSTEAM教育、生成AIの活用は、次代を生きる子ども達を教育する学校として、避けては通れない内容です。特に、生成AIの活用については、この夏休みに利用している子ども達も多いことでしょう。2025年4月の調査では、「学校の勉強や宿題にAIを使ったことがある」と回答した小学生は36.6%、中学生は44.6%でした。この数値は今後飛躍的に上がっていくことが予想されます。そのため、学校教育を担う我々は、学習の中でこの生成AIをいかに効果的に活用させていくか考えなくてはなりません。インターネットが普及した2000年頃、学校は右往左往しました。これまでの情報源は図書でしたから、「インターネットを使わせると図書離れにつながる」「考える力が低下する」などと言い、「インターネットは使ってはいけません」「ネットを使う時は先生が指示します」といった対応をした学校もありました。このような社会に背を向ける形をとってしまうことで、近年、学校は社会の変化に付いていけず、過去の教育方法にしがみついて、乗り遅れてきました。生成AIについては、同様の失敗を繰り返してはいけません。これまで築き上げた教育方法、学習展開を壊す可能性は十分あるのですが、それは時代とともに変化していかなければならないと考えています。かと言って、先生が生成AIに置き換わるのではなく、それぞれの良さを発揮し、それぞれの弱点を補う関係性が、アナログとデジタルには求められています。

では、アナログである先生は何を研ぎ澄ませていくべきでしょうか。私は、それは「人間にしかできない営み」だと考えています。子どもたちの学ぶ意欲やモチベーションを高めることは、まさに先生にしか担えない役割です。また、フェイク情報が氾濫する時代にあって、正しい判断力や倫理観を育むことも学校の重要な使命です。さらに、子ども同士の関わりを豊かにし、人間関係を通して学びを深めていくことも、デジタルには置き換えられない教育の核心部分です。

生成AIがどれほど発展しても、子ども一人ひとりの表情や声の調子から気持ちを汲み取り、そっと寄り添い、励ますことは人間だからこそできることです。学ぶ楽しさを共に味わい、失敗を次への糧に変えていけるよう支える、その積み重ねこそが教育の根幹だと思います。

今回の研修を通して改めて感じたのは、私たち教師が磨くべきは「変化に適応する力」と「子供の心に寄り添い続ける力」の両方だということです。新しい知識や技術を柔軟に学び取り入れながら、同時に子どもの心を理解しようとし、正しい方向へ導く姿勢を持ち続けなければなりません。

次代を生きる子どもたちに求められるのは、知識や技術そのものではなく、それをどう活用し、社会の中で生き抜いていくかという力です。そのために、教師自身が学びを止めず、日々の言葉や行動で子どもたちに示していくことが欠かせません。今回の夏季研修は、そうした教育の本質を考え直す大切な機会となりました。

 

テヘラン日本人学校で学ぶ子ども達へ

みなさんは、どんなことをかんがえたなつやすみでしたか。せんせいたちもべんきょうしましたよ。らいしゅうからがっこうでのがくしゅうがはじまります。たのしみですね。

校長室から『次代を生きる子ども達への教育を考える機会~夏季職員研修を実施~』

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