校長室から『激動であった1年を終える~2025年の教育課程を終了~』

12月23日、冬休み前集会を行い、2025年の教育活動を振り返るとともに、これからの心構えや冬休みの過ごし方について話しました。校長講話では、イラン情勢や本 校を取り巻く環境の中で、多くの困難に立ち向かった1年であり、子ども達もその影響を受けながら過ごした1年であったことを振り返り、「雨降って地固まる」ということわざを引用して、困難は決して人を弱くするものではなく、成長へとつながる前触れであることを伝えました。

子ども達一人一人にとっても、数多くの困難に向き合ってきた1年であったことでしょう。最近では、コリアンスクールとの交流会や学習発表会が記憶に新しいところです。少ない人数、そして短い準備期間にもかかわらず、堂々とした取組を見せてくれました。中学部は12月上旬に中間考査もあり、日々大変な中での活動であったと思います。私はその頃、中学部の二人に「忙しい時には、優先順位の付け方が大切だよ」と話しました。この年齢で、優先順位を考えなければならない状況に置かれることは、決して多くはありません。そんな中でも、うまくやり切った姿は、まさに「雨降って地固まる」の言葉どおり、慌ただしい日々を乗り越えた先に、しっかりとした土台が築かれていたように感じました。

私たち派遣教員にとっても、6月の退避以降、先の見えない日々が約5カ月間続きました。イラン時間に合わせたオンライン授業の毎日で、家族との時間や友人との交流にも少なからず影響があったことでしょう。それでも乗り越えられたのは、画面の向こうに子ども達がいたこと、そして6人の同僚が共にいたからです。つらい日々があったからこそ、「対面で授業ができる喜び」を、これまで以上に強く感じることができました。また、結果としてオンライン授業の技術も大きく向上しました。

そんな1年を振り返る中で、特にうれしく感じたことがあります。それは、クラウドファンディングを立ち上げ、テヘラン日本人学校を応援してくださる多くの方々から温かいご支援をいただいたことです。集会後には、ご支援いただいた資金で購入した物品を並べ、改めて感謝の気持ちを共有しました。掃除道具は、昨年度卒業した生徒会長が「いつまでもこの学校を美しく使ってほしい」という思いを込めて考えてくれたものです。そのほかにも、ホワイトボード、書籍、理科実験道具、各種ボール、プログラミング教材などを購入しました。メインとなる机・椅子についても、イランの業者と何度も折衝を重ね、理想に近い形で完成間近となっています。それらが納品されれば、学校紹介ビデオを作成し、支援者の皆さまに子ども達の喜びをお届けしたいと考えています。激動の1年であったからこそ、こうした支援者の存在は、私たちに大きな勇気を与えてくれました。それは、雨ではなく、冬空に差し込むあたたかな日差しのように感じられました。

「明日はもっと良い日になる」。そう信じています。現実には、思うようにいかないことがあると分かっていながらも、それでも前を向いていたいと思います。苦労の多い1年でしたが、振り返れば、大きな成長を遂げた1年でもありました。来年も、実り多く、幸せがたくさん降り注ぐ1年となることを願っています。

それでは、みなさま。どうぞ良いお年をお迎えください。

 

テヘラン日本人学校で学ぶ子ども達へ

いろいろなところで、たくさんのたいけんをして、おおきくせいちょうした1ねんでしたね。 らいねんは、さらにせいちょうするすがたをみせてください。せんせいたちは、いつもきたいしています。

校長室から『激動であった1年を終える~2025年の教育課程を終了~』

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