校長室から『前期前半が終了~7月下旬の授業を考える~』
7月20日、本校の前期前半が終わり、夏休み前集会を行いました。本校は、前期と後期との2学期制を取り入れています。2学期制は一時期注目をされ、導入する市区町村がありましたが、まだ全体の2割程度にとどまっています。私は、本校に赴任し、初めて2学期制の学校に勤務しましたが、先生、児童ともにゆとりの時間が生まれることは実感できました。また、7月末は学期末という意識ではないため、通常授業を実施しやすく、結果として授業時間をより多く確保できました。3学期制であった前任校では、1学期末になると復習が多くなり、午前中の短縮授業になっていたことを考えると、大きな違いがありました。
しかし、こうした7月末の学習指導の在り方は学期制の違いからくるものなのでしょうか。前任校で、先生達に「1学期末は短縮授業にせず、通常通り5時間、6時間授業にしてはどうか」と話したことがあります。しかし、その反応は否定的でした。理由は様々でしたが、「学期末に学習することがない」と言われたのには驚きました。先生に教えることが無くなるはずがありません。おそらく、教科書を中心に1学期分を指導し、テストをして通知表をつければ、あとは復習ぐらいしか考えられず、もし2学期分の教材を指導しても、夏休みで子ども達は忘れてしまうだろうからしない方が良いと考えられたのだと想像します。そして、7月上旬の通知表作成にへとへとになり、せめて学期末ぐらい余裕をもって過ごしたいと思われたのかもしれません。
過去にそんなやり取りをした関係で、本校に赴任して7月末の授業をどうするか、私にとっては興味がありました。幸いにも本校は2学期制であり、最終日までフルタイムの授業日でしたので、担当している教科は通常授業を最後まで続けることができました。中学部国語はギリギリ終わったという状態でしたが、小学部国語においては、8月9月指導予定の学習を行い、教材二つ分は先に進めることができました。
もし、前任校のある先生の一言のように、「学期末は短縮授業で復習を繰り返さないと過ごせない」と考える先生が多い学校であれば、2学期制導入をお勧めします。確実に授業が進めやすくなります。しかし、3学期制であっても、1学期の学習が終われば、さっさと2学期の教材を指導し始められる先生達であれば、どちらの学期制においても問題ないと思います。
一方で、先生達が成績処理、通知表作成にへとへとになっていることは事実です。その代償を学期末に持っていくというのではなく、成績処理を行う1週間を短縮授業するということも方策の一つでしょう(これには保護者の理解が必要です)。
しかし、これらは、我々教師側から見たことであり、子ども達はどう感じているのかを聴くことも必要です。ただ、子どもは大人より順応性が高いので、「休みが長ければ、どっちでもいい」と答えるかもしれません。
テヘラン日本人学校で学ぶ子どもたちへ
なつやすみは、どうですか。たのしんでいますか。しゅくだいはすすんでいますか。