校長室から『夏季休業期間の学校開放で自習をしています~自ら調整する学びの時間~』

先週水曜日から、夏季休業に入りました。本校では、学校の閉庁期間を挟む1週間を除いては、毎日学校を開放し、自由に登校させています。午前中のみ、40分の学習時間が3コマという時間割で過ごしてもらうことになっています。先生も日直として勤務しており、質問や教材を探すため、職員室にやって来る子もいます が、基本的には時間割にそった自習がメインです。課題プリントをする子もいれば、音楽のリコーダー練習をする子もいます。自習内容は、自由です。昨年度は、参加している子ども達から「校庭で体育をしてもいいですか」と提案があったのですが、体育、技術家庭科などの作業領域は、自習では安全性が約束できないため、却下しました。しかし、安全面で問題がなければ、どんな内容の学習でも、やってよいことにしています。

学校開放初日の様子を見ていますと、参加した全ての子が、各40分間を集中して学習していました。少ない人数の上に、家庭的な人間関係。ついつい馴れ合いになってしまいがちですが、子ども達は、しっかり場をわきまえていました。そして、課題を早く終えた子は、図書室で本を読んでいましたが、図書室内でも各自静かに本を読んでいました。

国内の小学校で考えると、夏季休業期間中の学校開放は、あまり聞いたことがありません。本校が海外に位置しており、子ども達が自由に外で生活できないことが学校開放の理由ですが、自分達で学びを調整する力を養う意味で、この学校開放での自習は有意義であると思います。前回のこのブログで、「普段の授業は“練習”、学校での発表会の場などは“練習試合”、家庭や社会に出た時が“本試合”」と書きましたが、その昔、私の教員時代、出張によって自習になる時、「自習でどれだけ静かに集中してできるか。本物の力が試されるからね」と言っていました。普段の授業で、自ら学ぶ力を養っているのですから、どこかでその力を試す機会が必要です。その意味において、自習は貴重な機会でした。しかし、それは昔話。本校だけでなく、国内の学校も、最近、担任の先生が不在になる際には、自習を極力避け、他の先生が補う形をとっています。そのため、自習をする経験はとても少なくなっています。こうした現状を考えると、今回行っている、学校開放はとても良い取り組みであると感じています。

何を、どのように、どんなペース配分で学習するか。家庭であれ、学校での自習室であれ、長期休みの学習は、自ら調整する学び方を体得する良い機会です。そして、その力が備われば、いずれやって来る受験期においても、大きな力を発揮することになるでしょう。長い目で見ながら、育てていきたいと思います。

別の視点にはなりますが、先日の夏休み前集会で、「夏休みになるのは、寂しいですか。楽しみですか」と子ども達に尋ねたところ、どっちもあると言っていました。寂しいのはお友達と接する時間が少なくなるからでしょう。その意味においても、この学校開放の時間は、寂しさを少なくする時間になっているのかもしれません。

 

テヘラン日本人学校で学ぶ子ども達へ

なつやすみに、がっこうにきて、しっかりとがくしゅうする。とてもよいせいかつしゅうかんだとおもいます。また、せんせいがいなくても、がくしゅうする。このちからは、おおきくなったときに、とてもやくだちます。

校長室から『夏季休業期間の学校開放で自習をしています~自ら調整する学びの時間~』

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