校長室から『学校は、学習するだけの場所ではない~保護者茶話会を開いて~』

4月に続いて、9月も派遣教員が一時避難帰国をしているため、オンライン授業が続いています。しかし、テヘランには4名の児童生徒が残っています。このような状態は決して好ましくおりません。ただ、この状態を嘆いてもどうしようもないことであり、今できること、これからできることを粛々と進めていく以外、道はありません。

そのような中、先日、保護者茶話会を開いて、9月以降の学校行事について、保護者からの意見をもらいました。この『保護者茶話会』は今年度から始めた活動です。これまで、学校の教育活動は、先生達で協議して進めてきました。もちろん、教育活動を計画、実施するのは学校ですから、先生達の協議による決定が最終決定であることに変わりはありません。しかし、児童生徒や保護者の意見がどれだけ教育活動に反映できるか、これは学校の姿勢によって大きく違ってきます。これまでの私の経験では、児童生徒や保護者の意見と学校の判断・決定が大きく違うと、いろんな所で不満や批判が噴出し、学校経営が難しくなっていきます。学校は児童生徒や保護者の御用聞きになってはいけませんが、判断・決定は大きくかけ離れたものであってはならないと思います

そこで、教育活動について、児童生徒や保護者の考えが少しでも多く反映され、ともに創っていく関係性を築きたいと思い、『保護者茶話会』を実施することにしました。先日の『保護者茶話会』では、運動会、宿泊学習、学習発表会といった大きな学校行事について、ご意見をもらいました。保護者の意見を総括すると、いずれの行事も縮小したとしても実施してほしいというものでした。ただし、受験期の中学部3年生がいるため、運動会、宿泊学習は10月末までにすること、派遣教員のイラン再赴任が遅れるようなことになった場合、11月以降の学校行事は生徒に相当の負担がかからないような形に変えて実施することといったご意見をもらいました。

5月の一時退避時での『保護者茶話会』でも同様に感じたのですが、保護者は例年の学校行事の実施を強く願われているということです。教科学習の円滑な実施はもちろん大切ですし、それが学校での中心であることは当たり前のことです。しかし、一方で、保護者は学校行事も大切に思われています。その根底には、「子ども達の思い出に残してやりたい」「体験的な活動から成長させてやりたい」という思いがあるように理解しました。学習指導要領にも、学校行事は「学校生活に秩序と変化を与え,学校生活の充実と発展に資する体験的な活動を行うこと」とあります。先生達も、学校行事の取り組みの中で、一回り大きく成長した児童生徒の姿をたくさん見てきたはずです。だからこそ、先生達は学校行事を何としてでも実施したいと考えていますし、保護者や児童生徒も望んでいるのでしょう。学校は、単に教科学習するだけの場所ではなく、こうした学校行事を行うことで人として成長させる場所です。『保護者茶話会』で保護者の意見をお聞きして、学校行事の意義を再確認させていただきました。

しかしながら、本校に迫っている現実は、厳しいものがあります。まずは、派遣教員がいつ戻れるかが大きな鍵を握っています。運動会、宿泊学習、学習発表会の三大行事は、派遣教員の再赴任が遅れれば遅れるほど、縮小していかなくてはなりません。先日の職員会議では、各学校行事の通常実施を判断するタイムリミットを作っていきました。そのタイムリミットを過ぎていくと、縮小した実施に変えていきます。ご理解をお願いしたいと思います。

テヘラン日本人学校で学ぶ子ども達へ

うんどうかいも、しゅくはくがくしゅうも、いつもどおりおこないたいとおもっています。しかし、せんせいたちがもどり、みんながそろわなければ、できないことです。だから、はやくもどりたいと、せんせいたちはまいにちおもっています。

校長室から『学校は、学習するだけの場所ではない~保護者茶話会を開いて~』

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