校長室から『学び続ける教師だけが学び続ける子を育てられる~現地校、インターナショナル校を訪問して2~』

 先月から現地校やインターナショナルスクールを訪問していることは、前回、このブログでお伝えしました。この訪問を通じ、イランの各学校が創意工夫を凝らし、より良い教育を提供しようと努力している姿勢を強く感じました。私たちの訪問が、現地校にとっては外国からの視察のような特別な出来事であることは否めません。そのため、各校が自校の良さをアピールすることには多少のバイアスがかかるでしょう。しかし、それを考慮してもなお、各校が特色を活かしながら、教育の質を高めるために全力を尽くしていることが伝わってきました。

先日、私は兵庫県明石市の貴崎小学校が開催したオンライン研修に参加しました。この研修は、本校が取り組んでいる「チーム担任制」についての学びの場でした。学級担任を固定しないこの制度が、教師や子どもたちにどのような影響を与え、どんな成果や課題があるのかを深く議論しました。また、スリランカのコロンボ日本人学校が主催するオンライン研究大会にも参加しました。この大会では、ICT機器を活用して行った現地校や他国の日本人学校との交流活動が紹介され、表現力を伸ばす実践報告や専門家による講演が行われました。いずれの会議も、子どもたちの成長を促すためのより良い教育環境や授業のあり方を考えさせられる、非常に貴重な機会でした。

これらの経験を通じ、世界各地の教師たちが熱心に教育に取り組んでいる姿に触れ、大きな刺激を受けました。本校の教師たちも、土曜日に現地校を訪問し、授業を参観する中で熱心にメモを取り、授業後の検討会では現地の教師たちと活発に意見交換を行いました。その姿を見て改めて感じたのは、「学び続ける教師だけが、学び続ける子どもを育てることができる」ということです。

現在、社会はますます予測困難な時代に突入しています。正解がない課題に向き合い、自ら考え、判断し、行動できる力を子どもたちに育む必要性が叫ばれています。これは、子どもたちに限らず、私たち大人にも求められる姿勢です。日本でも終身雇用が崩れつつあり、転職を重ねながらキャリアを築く時代が到来しています。その中で、リスキリング(新しいスキルの習得)やアンラーニング(古い知識を捨てて新たに学び直すこと)が重要視されています。つまり、生涯を通じて学び続ける姿勢が必要不可欠なのです。

ただし、生涯学び続ける姿勢は、決して新しい考え方ではありません。教育基本法第1条には、「教育は、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。」とありますが、ここでいう「人格の完成」には終わりがありません。すなわち、一生学び続けることを前提としています。

では、「学び続ける人」をどう育てるのか。それは、学び続ける大人たちに囲まれた環境を創ることに他なりません。学校では、教師がその最たる存在です。教師自身が学び続けていなければ、子どもたちにその大切さを伝えることはできません。同様に、家庭では保護者がその役割を担います。保護者が学び続ける姿勢を見せれば、何も語らずとも、子どもたちは自然とその価値を理解するようになるでしょう。

今回の現地校訪問やオンライン研修を通じて、学び続ける大切さを改めて実感しました。これからも本校は、教師が学び続け、子どもたちの成長を支える環境を創っていきます。

 

テヘラン日本人学校で学ぶ子ども達へ

あたらしいはっけんは、たのしいものなのです。これからも、たのしくまなびつづけましょう。

校長室から『学び続ける教師だけが学び続ける子を育てられる~現地校、インターナショナル校を訪問して2~』

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