校長室から『イランと日本の両国で学んだ経験を聴く~JETROマティンさんの特別授業~』

 今年度、本校では「イランに学び、イランを語れる児童の育成」を大きなテーマに掲げ、多くのゲストティーチャーを招き、貴重なお話を聞いています。先日は、その一環として、JETRO(日本貿易振興機構)の現地スタッフであるマティンさんを講師に迎え、講演を実施しました。

マティンさんはイラン人ですが、幼少期にお父様の仕事の関係で日本に移住し、多感な時期を日本で過ごされました。その後、再びイランへ戻り、現在に至ります。私生活の中で何度もお会いしていますが、いつも明るく素直で、周囲の人を自然と惹きつける魅力を持っておられます。講演当日も、多くの日本人会の方々が集まってくださったのは、マティンさんの人柄によるものだと感じました。

日本で学んだこと

イランで学んだこと
相手の立場に立って考えること Taarof
計画を立てて動くこと Bakhshehndeg
失敗しても成功しても振り返り、反省すること

柔軟性

講演では、日本での生活とイランでの生活の違いについて、マティンさん自身が感じたことを分かりやすく、右のようにまとめてくださいました。Taarofとは、社交辞令、礼儀、気遣いなどの相手を立てる為の礼儀作法のようなものです。Bakhshehndegは、相手の失敗を許したり、困っている人に寄与することです。こうした国民性や価値観の違いを比較することで、それぞれの文化の素晴らしい点に気づき、どちらの良さも大切にして生きていくことの重要性を伝えてくださいました。特に印象的だったのは、「今の社会で役に立つこと」として挙げられた9つのポイントです。“正直さ”、“フレンドリー”、 “柔軟性”、“笑顔” 、“挨拶”、“ルール順守”、“細かい点に気をつける心”、“相手の立場に立って考えること”、“マナーの重要性”だそうです。これらは、マティンさんが日本とイランの両方で学び、実践し、今も大切にしているものだそうです。どの国にいても、どんな環境にあっても、人として大切にすべきことを意識しながら生きることの重要性を、改めて感じました。

私の好きな言葉に、「人は人を浴びて人となる、人となれ人、人となせ人」という一節があります。人は、さまざまな人と出会い、その影響を受けながら成長していくものです。今回の講演を通じて、子どもたちもマティンさんの人柄や経験から、多くのことを学び取ったに違いありません。

私自身、イランに来て以来、イランの人々のホスピタリティに日々感心させられています。見ず知らずの人が気軽に声をかけてくれたり、温かい笑顔で接してくれたりすることに、何度も癒されてきました。かつての日本もそうだったのではないかと考えながら、日本では薄れつつある人と人との温かなつながりが、今もイランには息づいていることを実感しています。

今回の講演を聴いた子どもたちは、「イランっていいな」と感じたのではないでしょうか。異文化の中で生活するからこそ、両方の文化の素晴らしさを実感できます。マティンさんの話を通じて、イランという国の魅力を再認識し、今いる環境に誇りを持つきっかけとなったことと思います。とても素晴らしい講演でした。

今後も、子どもたちが「イランに学び、イランを語れる」ような学びの機会を増やしていきたいと考えています。

 

テヘラン日本人学校で学ぶ子ども達へ

マティンさんのはなしをきいて、ますますいらんがすきになりましたね。そして、にほんじんのよさもわかりましたね。それぞれのよさをみにつけていきましょう。

校長室から『イランと日本の両国で学んだ経験を聴く~JETROマティンさんの特別授業~』

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