校長室から『イランと日本の二拠点経営がまた始まりました~夏休み明け集会を実施~』
9月1日、今週の月曜日からテヘラン日本人学校も授業が再開しました。我々派遣教員はまだ日本に避難帰国中ですので、周囲からは「普段、何をしているの?」とよく聞かれます。日本の学校同様、派遣教員にはリフレッシュのための休暇のほか、日ごろできない職員研修、9月以降の授業準備、学校行事の計画(派遣教員がいつ戻れるかでいろいろなパターンを作らなければなりません)、購入物品のリサーチや購入手配などがありました。加えて、文部科学省から補習授業校の職員用の指導ビデオ作成の依頼も受けており、実際はかなり忙しい毎日を過ごしていました。
そして今週から、オンラインでの授業も始まりました。3名の子どもたちがテヘランに戻ったことは、我々にとって希望でもあります。先行きが見えにくい国際情勢ではありますが、少しずつテヘランが落ち着きを取り戻しつつある証でもあり、派遣教員も一日でも早くテヘランに赴きたいとうずうずしています。
ただし、子どもたちがテヘランにいて派遣教員が日本にいる中で、オンライン授業を行うことには多くの課題があります。特に教育面では、実技教科の実施制約、体験学習の不足、児童生徒の学習意欲の低下などがあり、十分な学力保障は難しい状況です。さらに、多感な時期にある児童生徒にとって「学校に先生がいない」という事実は、新たなストレスの要因となり得ます。心理的不安を把握できないことによるストレスの増加も懸念されます。こうした心的ストレスは今だけの問題ではなく、むしろ将来を見据えて考える必要があります。そのため、現児童生徒が帰国を余儀なくされれば、学校経営は一気に厳しさを増すのです。したがって、学校再開は多くの懸念を抱えながらのものとなっています。
それでも、時間は待ってくれません。4年生には4年生としての成長が必要であり、中学1年生も同じです。学校としてできることは、精一杯取り組んでいきたいと考えています。あのミサイルが飛び交う中でもオンライン授業を実施した学校ですから、「できないことはない」という気持ちで今は前に進んでいます。
今日はオンラインで『夏休み明け集会』を行いました。まだ日本の学校に通っている子どもたちも参加してくれ、久しぶりにオンラインながら賑わいが戻りました。そこで私は、四つ葉のクローバーを例にして話をしました。四つ葉のクローバーは、もともと三つ葉だったものが変異したものです。公園や道路でよく見つかりますが、それは人に踏まれたり、何かと擦れたりすることで葉が傷つき、分化・変異して一枚増えるのだそうです。人も同じで、苦労することで強くなったり、他にはないものを身につけたりします。まさに今、テヘランにいる子どもたちは、日本の子どもたちよりも苦労の多い環境で生活しています。オンラインで授業を受けているとはいえ、学校に先生がいないのですから、自分たちで学校生活をより良くしていくしかありません。そんな子どもたちに、エールを送りたいと思います。
幸いにも、子どもたちは元気な顔を見せてくれました。緊急避難の時も、大人たちは子どもたちの明るさに救われましたが、今回も同じく救われています。
テヘラン日本人学校で学ぶ子ども達へ
せんせいたちがいないなかでせいかつすることは、こころのつよさがもとめられます。でも、きみたちなら、じぶんたちでよりよいがっこうせいかつをつくっていけるとしんじています。 せんせいたちも、いっこくもはやくテヘランにもどるじゅんびをしています。