校長室から『学校は、子どもをはじめ全ての人のためにある~令和7年度の学校運営が終了~』

本日で、令和7年度テヘラン日本人学校の学校運営が終了しました。教育課程の修了ではなく、あえて“学校運営終了”と表現したのは、2度にわたる避難帰国により、十分な教育活動が実施できず、教育課程の修了とするにはいささか憚られるためです。しかし、胸を張って言えることは、派遣教員6名、現地スタッフ、臨時講師や見守り支援スタッフも含め、全職員が力を合わせ、今できる最善のことを行ってきたということです。

しかしながら、子ども達にとっての教育環境は、不十分な1年間でした。テヘラン日本人学校の校舎で対面授業ができた期間は、4カ月にも満たない状況でした。日本からのオンライン授業は、対面に勝ることはなく、あくまでも補助的な教育機能にとどまります。それでも子ども達は、まじめに、そして先生の指導に一所懸命に向き合い、学力を伸ばしていきました。こうした子ども達の姿勢は、我々派遣教員だけでなく、保護者や日本人会の方々にも、さまざまな意味で勇気を与えてくれていました。「子どもは地域の宝」とよく言われますが、まさに宝物のような存在でした。感謝の気持ちでいっぱいです。

そして、学校運営委員会や大使館をはじめ、テヘラン日本人学校を取り巻く多くの日本人に守られ、育てられ、この1年間を乗り切ることができました。12月の学習発表会では、多くの方にご来場いただき、子ども達と一緒におでんを囲んだあの時間は、子ども達が多くの人に支えられて成長していることを実感できる機会となりました。また、1月13日の派遣教員の避難決定当日に実施した百人一首大会でも、多くの大使館職員の方々にお越しいただき、大会を盛り上げていただきました。テヘラン日本人学校は、学校関係者だけでなく、多くの日本人に支えられている学校であり、厳しい情勢であればあるほど、その結束が強まるコミュニティの中にあることを改めて実感いたしました。

最近は、派遣教員が未配置となる令和8年度中に、テヘランに子ども達が戻ってきた場合に備えた教育環境の整備について検討しています。我が子が在籍していない中でも懸命に知恵を出してくださる運営委員の方々、また新たな提案をいただける海外子女教育振興財団の方々の存在の大きさを改めて感じました。残念ながら、このサポートネットワークに文部科学省が十分に関わっていないことは、この国の課題の一つではありますが、困難な時にこそ支えてくださる存在があることに、深いありがたさを感じています。そこには、「子ども達のために学校を守りたい」「少しでも教育を充実させたい」という強い思いがあると感じています。その思いは、今在籍している子ども達だけでなく、将来この学校に通う次代の子ども達にも向けられていることでしょう。

また、今年度は机や椅子を新調するクラウドファンディングを実施しましたが、テヘラン日本人学校のOBの方から「50年前に在籍していました」とのメッセージとともにご支援をいただきました。それも一人や二人ではなく、多くの方々からのご支援でした。57年にわたる本校の歴史の中で、学校が今もなお多くの方の心の中に生き続けていることを強く実感しました。学校とは、このように現在・過去・未来にわたる子ども達のために存在するものなのだと改めて感じています。

常々、私は「学校は誰のためにあるのか」と問い続けながら勤務してきましたが、その答えが日々見つかるのがテヘラン日本人学校でした。私の3年間の赴任生活で、4度の避難と3度の再赴任を経験しましたが、このような困難の中でも、人のつながりに支えられながら教育が続いていく姿を間近で見られたことは、何にも代えがたい経験でした。こんな素晴らしい学校で勤務できたことを幸せに思います。これは、これまで共に歩んできた派遣教員全員の共通の思いでもあるでしょう。

テヘラン日本人学校は、本校を愛し、応援してくださるすべての人のために、これからも存在し続けます。そして、存在し続けなければならない学校です。令和7年度の学校運営は終了しますが、明日から令和8年度が始まれば、また新たな歩みが始まります。引き続き、温かいご支援を賜りますよう、よろしくお願いいたします。

 

テヘラン日本人学校で学ぶ子ども達へ

1ねんかんがおわりました。「おかれたばしょで、さきなさい」とつたえてきました。いまは、そのときです。じぶんのいるがっこう、おともだちをみて、そこでできることをせいいっぱいしましょう。あなたのしっているおとなのひとたちは、いつでも、どこでもあなたをおうえんしていますから、あんしんしてやってみましょう。

校長室から『学校は、子どもをはじめ全ての人のためにある~令和7年度の学校運営が終了~』

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