校長室から『先輩の姿や話から刺激を受ける~卒業生が来校し落語を披露~』

 先週水曜日、2010年に本校在籍の卒業生に学校に来ていただき、落語を聞くことができました。この春、大学を卒業、そして就職されるのですが、その前にテヘランに行きたいということになったそうです。11月から再びテヘランで仕事をされておられるお母さんを頼っての来イランです。実は、お母様とお話しする機会があり、本校の卒業生である娘さんが来られることをお話しされたので、ぜひ学校に来てほしいとお願いしました。また、「大学のサークルで落語をしているので、挨拶よりは落語披露はどうか」とご提案があり、この企画に至りました。

芸名は、“境亭黎楽磨(サカイテイリラックマ)”さん。古典落語の『つる』をご披露いただきました。落語を聞くのは初めてという子ども達がほとんどでしたが、笑いのツボは古今東西同じであり、よく笑っていました。落語の後に、感想をみんなでお伝えしましたが、役柄によって声を変えたり、歩いたり、戸を叩く落語独特の動作を知り、「うまいなぁ」と感心していました。中でも、YouTubeでお笑いをよく見ていると言っている男の子達は、ライブで落語を聞く機会を得て、とても良い学びになりました。来年度のチェナール祭に、何かしらのお笑い芸を披露してくれると期待しています。

今回は、子ども達にとって落語を聞くといった特別な対面となりましたが、卒業生と出会う、話をすることは大きな刺激を受けます。特に身近な年齢の先輩に出会うと、「あんな大人になりたい」「あのような考え方ができるようになりたい」と思うでしょう。海外で生活している子ども達にとって、将来像としてのモデルは保護者や先生、日本人会の方々だけでなく、こうした先輩も必要です。

また、幼少期に海外で生活した経験をしている派遣教員はほとんどいなく、想像しがたい部分があります。派遣教員は子ども達に寄り添いながら指導していますが、「おそらくまだ十分理解できていないはずだ」と認識しておくべきです。そんな時に、卒業生から当時の思いや話を聞くことは児童・生徒理解に役立ちます。ちなみに、“境亭黎楽磨(サカイテイリラックマ)”さんからは、「百人一首を覚えられたのは、この学校で大会があったから」「スキーをしたのは今でも覚えている良い思い出」と聞きました。こうした学校行事はやはり必要なんだなぁと考えさせられました。

子ども達にとっても、派遣教員にとっても、卒業生は貴重な存在です。これからも、たくさんの卒業生に来校してほしいと願っています。

 

テヘラン日本人学校で学ぶ子どもたちへ

せんぱいのらくごはどうでしたか。すきなこと、きょうみをもったことにちょうせんして、それをひとまえでひろうできるところまでやってみるひとでしたね。

校長室から『先輩の姿や話から刺激を受ける~卒業生が来校し落語を披露~』     

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