校長室から『2カ月遅れで入学式を挙行しました~記憶に残る6月の入学式~』

 6月4日、本校中学生1名の入学式を行いました。当初4月14日に計画していましたが、イランのイスラエル攻撃により、その日は自宅待機、その後休校措置となり、子ども達、派遣教員は帰国を余儀なくされました。避難帰国する前、全校児童生徒が半日だけ集まった4月17日、いつイランに戻れるか分からないため、簡単な“スペシャル入学式”をしたのですが、「いつかは、来賓をお招きし、正式な儀式として開催したい」と、2ケ月間考えておりましたが、やっと実現できました。

入学式当日は、在イラン日本国大使館の村上公使にもご臨席賜り、盛大に開催することができました。私は、式辞において、二つのことを話しました。一つは、大人の事情で開催が2カ月遅くなったが、その分、記憶に残る入学式になったということです。私事ですが、自分自身の中学校の入学式について、全く記憶にございません。これを読んでおられる皆さんは、中学校の入学式のことを覚えていらっしゃるでしょうか。よほどのハプニング、イレギュラーなことがない限り、ほとんどの方々が、中学校入学式の記憶は忘却の彼方へ行ってしまっているのではないかと想像します。しかし、本校の中学部1年生の生徒にとって、歴史上大きな国際緊張の年であったこととともに、汗をかきながらの暑い入学式は、いつまでも記憶に残ることでしょう。私自身、6月に行う入学式は経験がなく、忘れられない式となりました。そして、今回のように、2か月間延期となった入学式を、「残念だった」と受け止めるのではなく、「おかげで、一生の記憶に残る式になった」と捉えてほしいと願います。

もう一つ、式辞で話したことは、中学校生活についてです。中学校の3年間は、あまりにもあっという間に過ぎ去ってしまいます。それほど、濃密な日々を送ることになるのですが、そんな時に心掛けてほしい言葉を贈りました。ラテン語のFestina Lente(フェスティーナ レンテ)という言葉です。フェスティーナとは「急げ」という意味で、次の言葉レンテは「ゆっくりと」という意味です。つまり、Festina Lente(フェスティーナ レンテ)は「ゆっくりと急ぎなさい」ということになります。「急ぐ」と「ゆっくりと」は正反対の意味を持つため、ちょっと不思議な気持ちになるのですが、示唆に富んだ、奥深い言葉です。この言葉を使いながら、中学校生活は短い3年間なので、すべきことを遅滞なく進めていくこと、その一方で慌てず、貪欲にいろいろな可能性にチャレンジすることを伝えました。

このことは、派遣教員にも言えることです。私がソウル日本人学校で3年の任期を終えた時、3年間はあっという間に過ぎ去ったことを強く感じました。だからこそ、派遣教員にも、日々を大切にし、イランの文化、生活に触れ、様々な経験を積んでほしいと思います。

2カ月遅れとなった、6月の入学式が無事に終わりました。これから夏休みまでは、大きな学校行事をすることなく(その分、後期に行事が集中しています)、各教科の授業を中心に教育活動を進めていきます。

テヘラン日本人学校で学ぶ子ども達へ

ちゅうがくぶのにゅうがくしきは、どうでしたか。ちゅうがくせいになると、れんしゅうをほとんどしなくても、あれぐらいどうどうとしきにのぞむことができます。せんぱいのすがたをもくひょうにしましょう。

校長室から『2カ月遅れで入学式を挙行しました~記憶に残る6月の入学式~』

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