『教育を支える土台は人とのつながりである』
湾岸諸国の日本人学校・補習授業校の派遣教員が、今週末から来週にかけて続々と赴任地へ戻り始めました。イランとアメリカの停戦交渉は不透明ながらも、一進一退を繰り返しながら少しずつ前進していると捉えてよいのかもしれません。この1か月間、湾岸諸国の日本人学校・補習授業校の児童生徒は現地と日本に分かれ、派遣教員もオンラインによる授業提供を余儀なくされてきました。その現状を考えると、本来の学校の姿に戻れることは、大きな喜びであると思います。
さて、テヘラン日本人学校は、いまだ厳しい状況が続いています。危険情報はレベル4のままであり、イラン国内の情勢も、依然として先行きが見通せません。この2年間、関係悪化によってミサイルが飛び交う状況を何度も経験してきました。そのため、いつ再び緊張が高まるか分からない状況です。また、今年度は派遣教員の配置もなくなり、仮に児童生徒がテヘランへ戻れたとしても、十分な教育の保障や学校運営は難しく、不透明な状況が続いています。
現在は、派遣教員が不在であっても、児童生徒がテヘランへ戻った際に教育を継続できる環境づくりを進めています。その柱となるのが、「テヘラン日本人学校教育支援センター(仮称)」の設立です。日中はインターナショナルスクールに通っていても、放課後にはこのセンターに立ち寄り、日本の教育を受けられる環境を整えたいと考えています。
教育の中心となるのは、日本人教員によるオンライン授業です。現在、ある教育機関が授業提供について前向きに検討してくださっており、実現すれば、放課後に日本の授業を受けることが可能になります。また、現地スタッフを常駐させ、児童生徒が他愛もない話をしたり、ほっと一息ついたりできる居場所としての機能も持たせたいと考えています。私自身も、週に数回はオンラインで教育相談を行えればと思っています。さらに、3月まで勤務していた派遣教員たちも新たな任地に赴いていますが、声をかければ学習相談などに協力してくれることでしょう。
この半年間で、私は三つの思いを強くしました。一つ目は、「57年の歴史をもつテヘラン日本人学校を簡単に途絶えさせてはならない」ということ。二つ目は、「子どもたちのために、今できることを最大限行う」ということ。そして三つ目は、「教育を支える土台は、校舎や設備といったハード面でも、派遣教員の配置といった制度面でもなく、人と人とのつながりである」ということです。
特に最後の「人とのつながり」は、教育を支える根幹です。残念ながら、派遣教員は未配置となり、校舎契約も終了せざるを得ない状況になりました。しかし、教育を成り立たせる「人とのつながり」は今も確かに生きています。
日本人会理事会では、毎回テヘラン日本人学校の近況を気にかけてくださり、様々なアイデアや助言をいただいています。現地スタッフは、来年度以降の本格再開を信じて、明るく学校を守り続けてくれています。2025年度の派遣教員たちも連絡を取り合いながら情報交換を続け、学校の再開を願っています。また、昨年度のクラウドファンディングでは、多くの卒業生や関係者、支援者の皆様から温かいご支援をいただきました。さらに、オンライン授業の提供を検討してくださる教育機関もあります。
学校を支えているのは建物ではありません。人です。子どもたちを思う気持ちです。そうした人とのつながりがある限り、テヘラン日本人学校は決してなくなりません。そして、必ず再び子どもたちの学びの場として歩み始めることができると信じています。
※写真は、学校スタッフに送ってもらっています。6/7テヘラン市内撮影。
テヘラン日本人学校で学んでいた子ども達へ
みなさん、げんきにしていますか?テヘランにほんじんがっこうのハーメドさん、メリカさん、モホセンさん、モハッラミさんはげんきに、がっこうにきてくれています。
