校長室から『逆境になって問われる学校の力 その3~打ち合わせ・校内研修~』

 緊急一時帰国となってから、先生達の業務は子ども達へ提供する教育活動だけではありません。一つは、学校の維持。今は、ハーメド総務部長とムジャン経理部長が出勤しています。また、警備員も通常通り配置して、警備に当たらせています。その職員とは、毎日日本時間13時30分(イラン時間8時)に、オンラインで打ち合わせを行っています。派遣教員の先生達の教育活動に関する確認のほか、現地スタッフからは現地での治安、安全情報、校舎点検について報告してもらいます。最近は、イスラエルに関する報道はほとんどないと聞いております。また、先日は、校舎玄関にハトが巣をつくって卵を産んでいたそうですが、そんなことも逐一情報が入ってきています。

学校の力として、最も重要な力はチームワークです。個々の能力が高くても、チームワークがなければ能力が削がれます。互いに遠慮すると、能力の出し控えが起こります。その意味において、どんな状況になっても、情報共有は欠かせない要素です。

もう一つ特徴的な活動が、校内研修です。今年度から派遣教員の発案で“テヘラン日本人学校まなび塾”が始まりました。これは、派遣教員それぞれが持っている知識、技能を使って、校内研修という形で学び合う機会です。1日の第1回は僭越ながら私が講師となり、『自分で考え、行動する子を育てるために~複数学年複数担任制の理念~』というテーマで話をしました。1時間程度の話でしたが、年度当初に研修という形で理念浸透の時間を持てたのはよかったです。今後も、派遣教員全員が順に講師となり、研修を進めていくことになります。さらに、“まなび塾”以外に、全体研修として、大使館医務官によるAED講座、キッドトピア幼稚園との幼児教育研修、現地理解のためのイランツアーを計画しています。

また、教育基本法には、「法律に定める学校の教員は、自己の崇高な使命を深く自覚し、絶えず研究と修養に励み、その職責の遂行に努めなければならない。」とありますが、先日、教職員支援機構のオンライン研修を紹介したところ、土曜日にもかかわらず4名の職員が研修に参加してくれていました。こうした個人の自己研鑽によって、個々の能力は高まっていきます。今はとても便利な時代で、派遣教員それぞれ住んでいる場所が違っても、オンラインによって、いくらでも研修することができるようになりました。間違いなく、こうした積み重ねが学校の力を高めていくことにつながっています。

我々派遣教員が一時帰国して、2週間以上たちました。子ども達に何かできることを、自分自身の能力向上に何かできることを考えて勤務しています。この休校期間が長期化し、日本人学校の業務が少なくなっていけば、各派遣元の教育委員会の指示に従って業務することになっていきますが、しばらくの間は、本校業務に専念することにしています。

 

テヘラン日本人学校で学ぶ子どもたちへ

せんせいも、みえないところで、みんなのことをかんがえながらうごいています。いちにちでもはやくであえることをかんがえて、せいかつしています。

校長室から『逆境になって問われる学校の力 その3~打ち合わせ・校内研修~』

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