校長室から『“最新の学校は最良の学校”を目指して~令和6年度冒頭の決意表明~』

新年度が、いよいよスタートしました。先週金曜日に、新たに3名の新派遣教員を迎え、3年目教員1名、2年目教員2名、現地スタッフ4名、計10名の職員構成です。現地スタッフのうち、運転手を削減し運転業務は警備員に兼務させることにし、もう一人の警備員も新規入れ替えをしました。そのため、職員は、とてもフレッシュな陣容になっています。

新年度、こうした人事異動によって、学校組織に新しい空気が流れます。本校も間違いなく、フレッシュになりました。その新年度の組織編成を考える時、こんな言葉が頭によぎります。それは、かの有名な自動車メーカーのポルシェの創始者フェルディナント・ポルシェの『最新のポルシェは最良のポルシェ』という言葉です。Drポルシェが本当にそのような言葉を言ったか定かではないらしいのですが、技術革新を繰り返して発展した、ポルシェ社らしい言葉に聞こえます。モノづくりの会社は、どこもこのような気概を持っておられることでしょう。

学校組織も同様で、人事異動は学校改革の方策の一つです。新しい教員の考え、経験を組み入れることで、学校教育をより発展させるのが、教員の人事交流の意図です。私は校長になってから、新年度の先生方には「新しい目でこの学校を見ていただいて、おかしいな、もっとこうすべきだということを率直に口にしてください。それが、人事異動で本校に来られた意味です」と話しています。さらに、「新しい目の保証期間は1年間。1年たつと、だんだんやっていることが当たり前に感じてきて、新鮮な感覚で物事が見えにくくなってしまいます」とも言います。つまり、本校の教育活動を“当たり前”と最初から見て、慣れたり、合わせようとしたりしてほしくありません。そのためには、1年目で来られた先生が違和感を口にしやすいように、我々2、3年目の先生はしっかりと聞く耳を持っておかなければなりません。年次が上になるにつれて先輩教員が幅を利かせて、1年目は黙って見ておけ!な雰囲気の学校は「最新の学校でも最悪の学校」です。しかし、残念ながら、こうした学校は決して少なくありません。本校は「最新の学校は最良の学校」を目指していきたいと思います。

これは、決して過去の職員を否定するものではありません。むしろその逆で、過去の職員がおられたからこそ最新の学校が存在しています。本校の歴史は55年ですが、これまでの間、国外退避を繰り返し、閉校の危機にも直面しました。それでも、保護者、先生、日本人会の方々が必死で守り、育ててこられたのです。近い歴史で言えば、この3月に帰国した3名の先生方は、3年間知恵を出し合い、様々な教育活動を創り、今年の3名の先生方にバトンをパスしてくれました。今年度は、その教育活動を土台にしています。今年度はその上に立って、今の10人のスタッフで、最良の教育活動を創り上げていきたいと思います。早速、1年目の先生が「〇〇学習って、必要なんですか?」と質問してくれました。嬉しかったです。これまで当たり前に継続してきた活動を問い直すことを求められました。再度、必要性から検討していきたいと思います。

この「最新の学校は最良の学校」になるためには、絶対に落とせない視点があります。それは、「子どもにとってはどうか」という視点です。子どもを中心に置かずして、当たり前は問い直しても意味はありません。ポルシェ社の場合も、顧客の満足度が最重要の視点のはずです。

未来を生きる子ども達にとって、必要な教育活動は何か。このことをスタッフ10名、そして子ども達としっかり話し合い、最良の学校を創っていきたいと思います。

 

テヘラン日本人学校で学ぶ子ども達へ

あたらしいせんせい、けいびいんさんがこられて、あたらしいてへらんにほんじんがっこうがすたあとしました。ことしも、みんなでいけんをだしあい、あたらしいがっこうをつくっていきましょう。

校長室から『“最新の学校は最良の学校”を目指して~令和6年度冒頭の決意表明~』

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