校長室から『日本もイランも先生達の悩みは同じだった~サルカール・アラニ教授の訪問~』

先月、名古屋大学のサルカール・アラニ教授が、本校を訪問されました。日本とイランの教育の比較研究をするパートナーを探しているのですが、なかなか見つかりません。そんな中、テヘラン大学つながりで、日本在住20年イラン人のアラニ先生とつながることができました。ちょうど、イランに一時帰国されることがわかり、本校にも訪問いただきました。子ども達の授業を見ていただいた後、テヘラン市内の小学校で行われる教員研修会に同席する機会を得ました。

研修会場には、地域の教育長、高校の校長など、多くの教育関係者が集まられており、アラニ教授の人気ぶりをうかがい知ることができましたが、私も日本人学校からの参加ということで、大変なおもてなしを受けました。その研修会では、アラニ教授の著書をもとに、各教員がどのように感じ、日々の授業でどんな苦労をしているかが話し合われました。

アラニ教授は、いま日本が取り組んでいる、“子どもたち自身が考える授業”を、ここイランでも提唱されています。研修会でのイランの先生達の話を聴いていると、教師主導の授業方法は良くないと分かっていつつも、なかなか実践できない苦労を感じておられました。このことは、本校をはじめ、日本の学校でも同様です。一斉指導、教授型の授業の方が、指導者は「教えた」という実感が湧き、安心できます。外部から見ていても、その方が授業らしく見えます。しかし、本当は授業を受けている子ども達の頭の中に注目しなければなりません。一斉教授型指導では、そんなに思考は活発になっていません。しかし、自分で考えを創らなければならない時、人に伝えなければならない時には、必然的に思考を活性化するしかありません。このようなことから、“自ら考え、判断し、行動する必要のある授業”の構築が強く求められています。

イランの教育は、内容や教育体制など、日本と大きく異なります。そのため、そのような授業形態は、日本以上に困難を極めます。しかし、どんな国であり、どんな教育内容、カリキュラムであれ、指導方法は教育者に委ねられています。日本とイランの教育内容、達成目標は違っているでしょうが、それらのゴールへの向かい方はより効果的であるべきです。だからこそ、今回の研修会で、イランの先生達は苦悩されていました。

本校も、イランの先生達同様、いち早く、児童生徒自らが考え、判断し、行動する必要のある授業へと変革していかなければならないと感じています。そして、今後も、アラニ教授とは連携を取っていきたいと考えています。

 

テヘラン日本人学校で学ぶ子どもたちへ

イランのおとこのこがかようがっこうにいってきました。そのがっこうのせんせいたちが、もっとよいじゅぎょうになるよう、はなしあっていました。どこのくにのせんせいも、なやみながら、いっしょうけんめいどりょくされていることがわかりました。

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